モルヒネ(仮)

自分の半生を振り返るためのブログ

生まれてから幼稚園まで

僕は昭和48年10月に生まれた。西暦でいうと、1973年になる。

 

この年はオイルショックがあった年で、石油がなくなってしまうとテレビやマスコミが騒ぎ、石油から作るトイレットペーパーが無くなってしまうと騒がれた年だ。うちの母も当時、トイレットペーパーを買いにスーパーへ走ったという話を後で聞いたことがある。

僕の両親は、若いうちに結婚した。関西の某大学で2人は知り合い、年齢でいうと父が母の一つ上だったが、父は一年留年したので同時期に卒業した。卒業直後に結婚して、最初に授かった子供が自分になる。だから、長男だ。

 

自分の幼い頃の記憶というとなんだろう。3歳か、4歳の頃に引っ越しをしたんだけど、自家用車に引っ越しの荷物をたくさん乗せて、僕は後部座席に乗って、自分の家が遠ざかっていくのを見ていた記憶がある。

引越し先は、山手の住宅地。自分が住んでるのは田舎なんだけど、最寄り駅までたどり着くのに、子供の足で30分以上は歩かないと着けないような、本当に田舎だった。おまけに家の前には山があった。その家から幼稚園まで毎日歩いて通っていた。幼稚園もまた駅の近くにあったので、30分ほどの道のりを毎日往復してた。

 

引っ越しの関係もあってか、幼稚園に入園するのに一年遅れた。

幼稚園は、自分にとって初めて出る社会だった。入園直後の記憶がある。周りは一年前から入園していて、すでに人間関係が出来上がっている。だから初日からワイワイ楽しそうに喋っていたのだけど、自分は誰も知り合いがいない。でも、自分は「ここはそういう場所なんだ」という理解を何故かしてしまい、自分から誰かに話しかけるということをしないまま、半年ぐらいの時間が過ぎた。

ある日、家で母から「あんた、幼稚園で友だち、どんな子がおるん?」みたいに話しかけられて、誰もいないと答えたら、母親の顔色が変わったのを覚えている。自分としては、それは何もおかしいことではなかったのだけど、当たり前だが親にしてみれば一大事だ。母親は、ママ友らしき人に電話をかけて「うちの子と遊んでやってください」みたいなことを言って、そこから友達付き合いみたいなものが始まったのだと思う。

 

でも、友達付き合いは自分には疎ましかった。面倒くさいというか。すでに出来上がっている人間関係の中に、歓迎されて呼ばれればもっと入りやすかったんだろうけど、歓迎するようなムードはちっともなくて。一度、自分の誕生日に親が半ば強制的に同級生を呼んでパーティーをしてくれたが、そのうちの一人に「呼ばれたから、来てん」みたいな残酷なことを言われて、その後も会話らしい会話はほとんどないまま、ちっとも盛り上がらなかったのを覚えてる。

僕はそのまま、小学生に入学することになる。